世界最大の治験情報サイト「ClinicalTrials.gov」から日本でおこなわれているがんの治験(臨床試験)をリンクしました。

【最新】新型コロナワクチンの国内開発の状況は?

【最新】新型コロナワクチンの国内開発の状況は?

2021年9月現在5種類の新型コロナワクチンが国内で開発されています。コロナワクチン開発は大きく分けると基礎研究、非臨床試験、臨床試験、承認審査という行程で開発が進められていきます。

新型コロナワクチンについて早期の実用化を目指し、国内を含め世界中で多数の研究が積極的に行われています。また他のワクチンに比べ通常より早いペースで開発が進められており、世界では複数の新型コロナワクチンが承認され、接種されています。

新型コロナワクチンの概要

国内で開発されている新型コロナワクチンは、現在

  • 不活化ワクチン
  • 組換えタンパクワクチン
  • mRNAワクチン
  • DNAワクチン

など様々な種類のワクチン開発が行われています。

不活化ワクチン、組換えタンパクワクチン

不活化ワクチンや組換えタンパクワクチンは、不活化した新型コロナウイルスの一部やウイルスの一部のタンパクを人体に投与し、それに対して免疫が出来る仕組みです。

メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン、DNAワクチン

メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン、DNAワクチンは新型コロナウイルスの遺伝情報をそれぞれメッセンジャーRNA、DNAプラスミドとして、あるいは別の無害化したウイルス等に入れて、人に投与するものです。それが、人の細胞に入り、ウイルスのタンパク質を作ることによってウイルスのタンパク質に対して免疫が出来る仕組みです。

新型コロナワクチンの詳細

国内のコロナワクチンの流通としてご存知の方も多いかも知れませんが既にアメリカ、ファイザー社のワクチンが令和3年2月14日に薬事承認され、同月17日から接種が開始されています。また、武田/モデルナ社ならびにイギリス、アストラゼネカ社のワクチンが令和3年5月21日に薬事承認され、同月24日から武田/モデルナ社のワクチンの接種が開始されています。

上記以外の既存コロナワクチン以外に現在厚生労働省で発表されているものが5種類ありますのでご紹介します。

基本情報

取り組み状況

目標

生産体制の見通し

研究費

塩野義製薬 感染研/UMNファー マ

※組換えタンパクワクチン

ウイルスのタンパク質 (抗原)を遺伝子組換え 技術で作成し人に投与

第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始 (2020年12月) アジュバントを変更した製 剤による第Ⅰ/Ⅱ相試験を開 始(2021年8月)

第Ⅲ相試験を2021 年内に開始の意向。

2021年末までに3000万人 分の生産体制構築を目標 生産体制等緊急整備事業 で223億円を補助

AMED(R1年度) 100百万円 感染研 • AMED(R2年度一次公募) 1,309百万円 塩野義 • AMED(R2年度二次公募)

②第一三共 東大医科研

※mRNAワクチン

ウイルスのmRNAを人に 投与 人体の中でウイルスのタ ンパク質(抗原)が合成 される

第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始 (2021年3月)

第Ⅲ相試験を2021 年内に開始の意向。

生産体制等緊急整備事業 で60.3億円を補助

AMED(R1年度) 150百万円 東大医科研 • AMED(R2年度二次公募)

アンジェス 阪大/タカラバイオ

※DNAワクチン

ウイルスのDNAを人に投 与 人体の中で、DNAから mRNAを介して、ウイル スのタンパク質(抗原) が合成される

第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始 (2020年6月、9月) ・第Ⅱ/Ⅲ相試験を開始 (2020年12月) ・高用量製剤での臨床試験 (第Ⅰ/Ⅱ相試験相当)を 開始(2021年8月)

タカラバイオ・AGC・カ ネカ等が生産予定 生産体制等緊急整備事業 で93.8億円を補助

厚労科研(R1年度) 10百万円 大阪大 • AMED(R2年度一次公募) 2,000百万円 アンジェス • AMED(R2年度二次公募)

KMバイオロジクス 東大医科研/感染研/ 基盤研

※不活化ワクチン

不活化したウイルスを人 に投与(従来型のワクチ ン)

第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始 (2021年3月)

第Ⅲ相試験を2021 年内に開始の意向。

生産体制等緊急整備事業 で60.9億円を補助

AMED(R2年度一次公募) 1,061百万円 KMバイオロ ジクス • AMED(R2年度二次公募)

VLP セラピュー ティクス

※mRNAワクチン

ウイルスのmRNAを人に 投与 人体の中でウイルスのタ ンパク質(抗原)が合成 される

第Ⅰ相試験を開始予定 (2021年10月)

第II/Ⅲ相試験を 2021年度内に開始 の意向。

生産体制等緊急整備事業 で143.4億円を補助

• AMED(R2年度二次公募)

開発状況について-厚生労働省 より引用

今後のワクチン確保の取り組みについて

現在流通しているワクチンのうち来年(2022年)供給予定のワクチン、協議が公表されているものについて記載いたします。

来年(2022年)供給予定のワクチン

2021年9月6日に国内製造ワクチンである武田薬品工業(日本)が供給予定と発表されています。

新型コロナウイルスのワクチン開発に成功した場合、来年(2022年)初頭から、概ね1年間で1億 5,000万回分の供給を受ける。

今後協議が公表されているもの

来年初頭から供給予定のアメリカ、ファイザー社と協議が予定されています。

既存の契約に加え、来年(2022年)初頭から1億2000万回分のワクチンの供給を受けることを前提に協議中

国内製造の新型コロナウイルスワクチンによる国際貢献について

日本政府はイギリス、アストラゼネカ社と提携し国内製造しているワクチンをCOVAXファシリティ等を通じて各国に供給を行なっています。

直接供給を行なった国

  • 台湾
  • ベトナム社会主義共和国
  • インドネシア共和国
  • マレーシア
  • フィリピン共和国
  • タイ王国

上記合計約1200万回分のアストラゼネカ社製のコロナワクチンを供与。

COVAX経由での供与

  • カンボジア
  • ラオス
  • 東ティモール
  • バングラデシュ
  • モルディブ
  • ネパー ル
  • スリランカ
  • 太平洋島嶼国及びイラン

上記各国合計1100万回分のアストラゼネカ社製のコロナワクチンを供与。

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