がん治験のメリットとデメリットとは?
がん治験のメリットとデメリットを解説
以前に治験と臨床試験の違いを解説させていただきましたが今回はがん治験のメリットとデメリットを解説します。治験は新薬を試せるというメリットが大きく見えがちですが、デメリットも存在するのでしっかりと確認してから参加するようにしましょう。
この記事では前半部で治験とは?を掘り下げて解説し、記事の後半部分で治験のメリット・デメリットを解説しています。
治験とは?
治験とは新しい医薬品(医療用具の場合も有)を患者さんや健康な方に投与し新薬が治療内容に対して効果的か、安全であるかなどを確認するための試験です。
治験はがん治験だけでなく、認知症や糖尿病など様々な症状で試験が実施されています。
治験前に必ず医師から治験概要の説明が有りますのでご家族様やご友人と一緒に参加しましょう。説明時に投与する薬の概要や試験期間、治験のリスクなどの説明があるのでメモやボイスレコーダーなど検討する際に説明内容を確認できる物を用意しましょう。
また治験は任意の参加なので説明後、検討し参加しないこともできます。
治験の参加条件
がん治験の場合は大まかに以下の条件が指定されていることが多いです。指定されている条件に該当していないと治験に参加することができないのでご自身の条件にあった案件を探しましょう。
- 年齢
- 性別
- 症状
- 体重
より詳しく解説した記事「癌治験を受けるには」の記事はこちら
治験案件を特定条件で絞り込む方法
1.ClinicalTrials.govにアクセスします。
2.英文で表示されるので右クリックして「日本語に翻訳」をクリックします。
3.「高度な検索」をクリックします。
4.「すべての研究」をクリックし、「状態または病名」に英語で病名を入力します。
以下に検索するために日本語と英語の表をご用意したのでお役立てください。
脳腫瘍 | Brain tumor |
---|---|
舌がん | Tongue cancer |
甲状腺がん | Thyroid cancer |
胃がん | Stomach cancer |
腸がん | Intestinal cancer |
肝細胞がん | Hepatocellular carcinoma |
胆のうがん | Gall cancer |
胆管がん | Bile duct cancer |
すい臓がん | Pancreatic cancer |
肺がん | lung cancer |
乳がん | Breast cancer |
卵巣がん | Ovarian cancer |
子宮頸がん | Cervical cancer |
子宮がん | Uterine cancer |
腎細胞がん | Renal cell carcinoma |
腎盂尿管がん | *** 英訳不明 |
前立腺がん | Prostate cancer |
膀胱がん | Bladder cancer |
皮膚がん | Skin Cancer |
骨軟部腫瘍 | *** 英訳不明 |
白血病 | leukemia |
血液がん | Hematologic Neoplasm |
小児がん | Childhood cancer |
5.「適格基準」→「年齢」、「性別」をそれぞれ入力します。
6.下までスクロールし「検索」をクリックします。
検索後は該当の治験案件をご自身で問い合わせるのではなく主治医(担当医)に見せながら相談しましょう。※個人で問い合わせをしても回答がいただけないケースが多いためです。
治験の期間
治験の期間は試験によって変わりますが通常の治験の場合、数ヶ月程度から1年以上といった期間が定められている場合が多いですが、がん治験の場合は年単位の長期で行われることがほとんどです。
治験のメリット
治験に参加することで新薬を投与できるという大きいメリットが有ります。
治験投与する新薬はまだ一般にはない薬なので最新の治療を受けることができます。具体的な治験内容に関しては当サイトのトップページの「がん治験検索」から病名を指定し検索可能です。
治験のデメリット
残念ながら治験にはメリットばかりでなくデメリットもあります。デメリットは大きく分けて2つあり
- 効果が出ない、または安定しない可能性がある
- 副作用が出る場合がある
といったデメリットがあります。事前の医師からの治験説明にて予想できる副作用や起こりやすい副作用などのデメリット部分も説明されるかと思いますのでご自身の体調を考慮しながら医師に質問しましょう。
効果が出ない、または安定しない可能性がある
治験で投与する薬は新薬なので効果が出ない場合や安定しない可能性があります。
その場合は主治医と相談し治験を止めることもできます。
副作用が出る場合がある
医師から事前に新薬投与時に起きやすい副作用の説明がありますが不快感や副作用が強い場合は効果が出ない時同様に治験を中止し以前の治療に変更できます。
治験はいつでも中止可能
デメリットでも少し記述しましたが、治験は患者さんの自由意志になりますので治験中に不快感が出た時や副作用が思ったより辛い時など、どんなタイミングでもご自身の判断で中止可能です。不安がある時はすぐに医師に相談し無理をしないようにしましょう。
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