小児がん拠点病院の全国一覧と詳細
小児がん拠点病院は2019年に見直しが行われ2021年現在、全国で15箇所が指定されています。本記事では小児がん拠点病院についてを解説し、全国にある小児がん拠点病院を都道府県別に紹介しています。
小児がん拠点病院とは?
小児がん拠点病院とは地域で行われる小児がん医療や小児がん支援を行うための拠点と言える病院で厚生労働省が定めた要件をクリアした全国にある15箇所の病院を指します。また小児がん拠点病院は小児がんだけでなくAYA世代(15歳~39歳の思春期・若年成人)のがん医療・支援も行っていますので記事の後半でAYA世代について解説しています。
小児がん拠点病院の選定方法
小児がん拠点病院は厚生労働省が数年に一度開催する検討会で意見交換を行い、最終的に厚生労働大臣が指定した病院です。「小児がん拠点病院の指定に関する検討会」は過去第一回の2012年から全部で8回行われています。検討会の具体的な議題としては
- 小児がん拠点病院の選定について
- これまでの小児がん拠点病院の指定について
- 小児がん拠点病院の指定更新について
- 小児がん拠点病院等指定後の整備状況にかかるヒアリング結果概要
などがあります。
以下のURLでは厚生労働省が小児がん拠点病院の検討会で記録された議事録や資料等を公開しています。
小児がん連携病院との違い
小児がん拠点病院と似たような名称で小児がん連携病院と呼ばれている病院があります。小児がん連携病院は小児がん拠点病院と同様、小児がん医療において医療スタッフ・医療設備が国が定めている一定の水準を満たしていてさらに小児がん連携病院が指定をしている病院となります。選出する際は小児がん拠点病院と似ており、地域ブロック協議会と呼ばれる協議会で意見を交換し最終的に小児がん連携病院が選定を行います。
小児がん拠点病院との違いとして小児がん拠点病院は全国に15箇所ありますが、小児がん連携病院は全国に150箇所以上あり10倍以上の病院数です。したがって小児がん拠点病院がない地域でも小児がん連携病院にて小児がん医療をうけることが可能です。
小児がん連携病院は以下の3つに分類されています。
- 地域の小児がん診療を行う連携病院
- 特定のがん種等についての診療を行う連携病院
- 小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院
小児がん患者へ万全な体制でフォローするため一般病院とは異なり施設の要件や人的配置など上記3つの分類で細かく定められています。
AYA世代とは
AYA世代とはAdolescent&Young Adult(思春期・若年成人)の略称で15歳から39歳の患者を指します。
AYA世代の1つ目の特徴として小児がんと成人のがん共に発症する可能性がありますが患者数は少ない(全体のがん罹患者数の2.5%ほど)ことです。
2つ目の特徴として身体的な影響以外に社会的な影響(学校・会社、家族、結婚・出産)を受けやすく精神的ストレスや将来の不安を抱えてしまう可能性があります。
従って小児がん、成人がんの専門医師や看護師が連携する必要があり、小児がん拠点病院や小児がん拠点病院など医師や看護師などの連携力が高い病院が求められています。
AYA世代のがんの特徴
AYA世代のがんの特徴としてまず若年層にあたる15歳〜19歳の発症原因は小児がんの発症原因にも多い白血病、リンパ腫、骨軟部腫瘍、脳腫瘍がありますがこれらのがんは20代になると減少していき、甲状腺がんや胚細胞腫瘍・性腺腫瘍が増え、30代では女性乳がん・子宮頸がんが特に増えます。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
0から14歳(小児) | 白血病[38%] | 脳腫瘍[16%] | リンパ腫[9%] | 胚細胞腫瘍・性腺腫瘍[8%] | 神経芽腫[7%] |
15から19歳 | 白血病[24%] | 胚細胞腫瘍・性腺腫瘍[17%] | リンパ腫[13%] | 脳腫瘍[10%] | 骨腫瘍[9%] |
20から29歳 | 胚細胞腫瘍・性腺腫瘍[16%] | 甲状腺がん[12%] | 白血病[11%] | リンパ腫[10%] | 子宮頸がん[9%] |
30から39歳 | 女性乳がん[22%] | 子宮頸がん[13%] | 胚細胞腫瘍・性腺腫瘍[8%] | 甲状腺がん[8%] | 大腸がん[8%] |
小児・AYA世代のがん罹患より引用
上記は小児とAYA世代のがん種を年齢別に分けたものですが、このように小児期とAYA世代では大きくがん種が異なっていることがわかるかと思います。
【地域別】小児がん拠点病院
本記事では2019年に行われた第8回小児がん拠点病院の指定に関する検討会にて公開されている「小児がん拠点病院」選定結果を元に小児がん拠点病院をご紹介しております。
【北海道地方】小児がん拠点病院
医療機関名 | 住所 | 電話番号(代表) |
北海道大学病院 | 〒060-8648 北海道札幌市北区北14条西5丁目 | 011-716-1161 |
【東北地方】小児がん拠点病院
医療機関名 | 住所 | 電話番号(代表) |
東北大学病院 | 〒980-8574 仙台市青葉区星陵町1番1号 | 022-717-7000 |
【関東地方】小児がん拠点病院
医療機関名 | 住所 | 電話番号(代表) |
埼玉県立小児医療センター | 〒330-8777 埼玉県さいたま市中央区新都心1番地2 | 048-601-2200 |
国立成育医療研究センター | 〒157-0074 東京都世田谷区大蔵2丁目10−1 | 03-3416-0181 |
東京都立小児総合医療センター | 〒183-8561 東京都府中市武蔵台2丁目8−29 | 042-300-5111 |
神奈川県立こども医療センター | 〒232-8555 神奈川県横浜市南区六ツ川2丁目138−4 | 045-711-2351 |
【中部地方】小児がん拠点病院
医療機関名 | 住所 | 電話番号(代表) |
静岡県立こども病院 | 〒420-8660 静岡県静岡市葵区漆山860 | 054-247-6251 |
名古屋大学医学部附属病院 | 〒466-8560 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65 | 052-741-2111 |
三重大学医学部附属病院 | 〒514-8507 三重県津市江戸橋2丁目174 | 059-232-1111 |
【近畿地方】小児がん拠点病院
医療機関名 | 住所 | 電話番号(代表) |
京都大学医学部附属病院 | 〒606-8507 京都府京都市左京区聖護院川原町54 | 075-751-3111 |
京都府立医科大学附属病院 | 〒602-0841 京都府京都市上京区広小路 上梶井465 | 075-251-5111 |
大阪市立総合医療センター | 〒534-0021 大阪府大阪市都島区都島本通2丁目13−22 | 06-6929-1221 |
兵庫県立こども病院 | 〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町1丁目6−7 | 078-945-7300 |
【中国地方】小児がん拠点病院
医療機関名 | 住所 | 電話番号(代表) |
広島大学病院 | 〒734-8551 広島県広島市南区霞1丁目2−3 | 082-257-5555 |
【九州地方】小児がん拠点病院
医療機関名 | 住所 | 電話番号(代表) |
九州大学病院 | 〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1 | 092-641-1151 |
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